ようやく最近になって薬剤師名簿登録された。
世間一般では、薬剤師国家試験に通ったら、薬剤師として働けるという認識が大多数。しかし、実際は薬剤師名簿に登録されないと、服薬指導や調剤はできない。
そんな訳で今までは、6年1200万払ったのに、レジ打ちしたり、品出ししたりしていた。
この辺の話はまた追々するとして、今回は実際に自分がやっていた
- 勉強法
- スケジュール
- 模試の成績
- やらなくていいこと
を書き綴っていく。
一応、こんななりでも現役合格はしているので、一部でも参考になる点があれば幸いだ。
この記事の目次
勉強開始時期
これはかなり知りたい人がいると思う。単刀直入にいうと、
11月
え?遅くない??と思った人、続きがあります。
だいたいの学校では、薬ゼミ等の予備校からの出張授業が8, 9月頃あると思うが、それには必ず休むことなく出席した。
しかし、この授業、約10~16時と丸1日、週5で行われるので、通学に往復3時間かかる俺は復習なんてする気は起きなかった。
有益なことを言っていることは理解できたので、板書を取っておいて、後の復習に役立つようにしておくかーぐらいのモチベーションで夏は終わった。
ちなみに7~10月は友達とdiscordで夜な夜なモンハンやらスプラトゥーンやらで遊んでいたので、自習時間は0!
勉強を11月から始めようとしたのは危機感を感じたからということでもなく、とある日に6年生全体に向けた学部長からの1通のメールによるものだ。
細かい内容は忘れたが、
「東大の薬学部生は、重箱の隅をつつくようによく勉強し、とてつもない点数を取って国家試験を通過していると思われがちですが、実際は12月ギリギリまで実験を行い、年末ごろから、過去問をしっかりと活用して、安全圏にしっかりとすべりこんできます…(中略)…ですから、皆さんも青本をただ読む勉強法ではなく、過去問を活用した勉強法を実践してください。」
こんな感じのメールだった気がする。
(東大の薬学部生がいるなら教えてほしいのですが、これは本当ですか?)
このメールに触発された俺は、
「東大生で12月から始めるんだったら、凡人の俺が本腰入れるのは11月かなぁ」
という今考えるとわけのわからない理論で10月までは勉強は学校にお任せして、自習時間は0で遊び惚けていた。
4~7月(夏休み前)
一応、俺のいた学校は国家試験合格率9割を超えていて、国家試験に強いことを謳っている。
そのため、国試対策授業がしっかりと練られていて、夏休み前までの国試対策授業では、秋までに必須問題をしっかりと解けるのが目標設定されていた。
具体的なカリキュラムとして、
この2冊を使った対策授業を行っていた。
(既に2024年度の新版が出ているので、買う人は注意!)
1週目 熱力
2週目 分析化学
3週目 分子生物学
4週目 免疫学
…
と毎週決まった曜日に1、2限に必須問題集の解説があり、3限目に確認テストが行われるという授業だった。
確認テスト自体は必須問題集の選択肢をシャッフルしたり、答えが別のものになるように問題を少し変えたり、計算問題なら数値を置き換えたりと、そんなに難しいものではなかった。
ただし、テストの合格点が8割と必須問題対策らしく高めに設定されていて、なおかつ、正解するごとに夏の期末試験の合格ラインが下がる(80点→最高70点)ので真剣には取り組む必要があった。
自主学習としては、通学に往復3時間かかるので電車で勉強していた。だいたい2週ぐらい回して、間違った問題にはチェックマーク(☑)などを入れて3週目には間違った問題を重点的に解いていた。
家での勉強はテストの前日に少しやる程度で、基本は電車で調べきれなかったり、疑問が残った問題を数問、青本や教科書で調べる程度。
自宅では夏休み前に勉強していなかった。
7, 8月(夏休み)
夏休みの薬ゼミからの直前ガイダンスで、平日5時間は勉強しようと推奨されていた。
ただ、今まで、自習時間0の俺がいきなり、5時間はきついものがあったので、ほとんど3.5時間、時々5時間という具合だった。
使用した教材は、8年度分の過去問を問題集として既出問題集(100~106回)と107回の過去問、参考書は青本のみ使用。
巷では、問題集として青門を選ぶ人もいるが、どっちでもOKだと思う。ただ、並行して進めるのはNG。これは間違いなく。というのも問題量が多くなりすぎて1週も回せずに中途半端になる恐れがあるからだ。
個人的には、問題集は既出問題集をお勧めする。正直、過去問を選択肢や解き方含めて8年分マスターすれば国家試験は余裕であると思う。
薬ゼミの先生方の中には、過去問では不十分と考える人もいらっしゃったが、青門に載っている薬ゼミオリジナル問題は、国家試験より難易度が高い薬ゼミ模試から引っ張っているものがほとんどであり、300点超えないボリューム層の受験生がやってもあまり恩恵は得られないと思う。
実際に俺が行った既出問題集の解き方は、至ってシンプル。頭から解いていって、あってたら問題の端に○、間違っていたらチェックマーク(☑)を入れる。ただこれだけ。
ときどき、既出問題集だけだと、解説が薄かったり、正解以外の選択肢にあまり触れられていなかったりするので、そういう時には、年と問題番号でググってRECの無料講義を聞いていた。
薬ゼミと違った視点で解説している問題もあるので、詰まったらオススメ。特に薬剤の繰り返し投与の計算などは再現性のある考え方を解説しているので、当時はかなり助かった。
ちなみに既出問題集は夏休み中には1週のみ。初回なので解説を理解したり、調べ物をしていると、1問あたりの時間がかなりかさんでいた。
9月, 10月
相変わらず、友人とスプラトゥーンなり、モンハンなりを夜な夜なやる生活は続いていた。
前述した学校の国家試験対策講座のテストが秋学期(夏休み後)にもあり、期末試験(卒業試験)のボーダーに関わるので、電車の中や、試験2週間前ぐらいから渋々勉強はしていた。
テストの日程としてはこんな感じ。
だいたい毎国家試験対策講座のテストを受けるまでに最低2週。間違えた問題などは3週以上するぐらいの勉強量だった。
テストの難易度としてはそれほど高くなく、過去問の選択肢をいじったり、計算問題は数値をいじる程度。
11~1月(卒試前)
ここからマジのガチの本気で国家試験対策に取り組む
まず徹底して、
- 友人たちに国家試験が終わるまで、遊べないことを説明
- Discord消す
- Switch等ゲーム機は箱にしまって押し入れの奥に収納
- メインのスマホは勉強中電源切って押し入れに投げこむ
- 学校の薬ゼミ講座がない日は6時起床、23時就寝。飯風呂トイレ以外は勉強にあてる。
- 勉強の調べもの用のスマホと私用のスマホを分ける
- 調べもの用のスマホにはLINE、Twitter、インスタ等娯楽系のアプリは入れない
…こんな感じ!
とにかく、娯楽の時間を減らして、勉強時間を増やした。
学校で行われる薬ゼミ講座への向き合い方だが、復習は基本的にしない。
ここのスタンスは変わらない。というのも国家試験は過去問演習が非常に大事なので、有限な時間を薬ゼミの復習に充ててしまうと、自分の勉強する時間が減ってしまう。
薬ゼミ講義はその時間だけで完結。意外とこれ大事。
卒試(期末試験)の勉強は、だいたい1か月前に始めた。過去問を2年度分解いて間違ったところを復習というオーソドックスな勉強法。
学校にもよるかもしれないが、俺の学校はあまり卒試の過去問はあてにならず、どちらかというと国家試験の問題を対策講座毎のテストとくらべて、より弄ったつくりの出題形式であった。
Twitterとかを眺めていると、私の学校は模試から出題されている~、僕の学校は教授の講義の内容が~等、様々なので自分の学校にあった対策をしたほうがよいと思う。
ちなみにだが、俺は卒試1週間ほど前に胃腸炎でダウンして、勉強が追いつかずに再試に回ったので、あまりアドバイスできる立場ではない。ただ、その経験から体調管理に敏感になったので、無駄ではなかったと思う。
1月(卒試終わり)~2月(本番直前)
卒試が終わると、残るは国試。
この辺になると、学校の薬ゼミの講義も青本を用いた各論から、まとめのような総論の直前講習へと切り替わっていく。
ここで直前講習の受講の判断に悩むかもしれないが、直近の模試の順位から判断してほしい。
単刀直入に書くと、
平均以上 → 直前講習を受けてみるのもいい。おまかせ。
平均以下 → 受けなくていい。時間がもったいない。もっと過去問の理解を深めるべき。
実際に自分が直前講習を受けて、だいぶ薬ゼミの先生の主観が入ってきているなぁと感じた。
どの教科の講義を聞いていても、薬ゼミ模試の問題だったり、医師・看護国家試験の中から薬剤師国家試験に出ていない範囲を次のヤマとして張っていたり。
この中でも数問は実際に出てきた問題はあるが、あくまでも数問。受験生平均以上の実力がないなら、しっかりと過去問を解きなおして、再現性のある理解をすべきだ。
そしてここでも変わらないのは、薬ゼミの講義の復習はしないということ。
この時期になると、自分の弱点や、やりたいことがたくさん出てくる。これについては心配しなくていい。勉強がきちんとできている証拠だから。逆に、出てないほうがまずい。そんな時期に義務感で薬ゼミ講義の復習をするよりかは、講義中はしっかり集中して、家などでは自分のやるべきことをしっかりとやったほうが絶対にいい。
例を挙げると、俺の場合は衛生がとても不安だった。過去問の演習量は他の教科と変わらないはずなのに点数は低めだった。これに対して、俺は衛生の青本を追加で解き始め、高速で1週回した(だいたい3~4日で)。おかげで国試本番では、衛生が一番の得点源になった。
…とここまで薬ゼミの直前講習をかなり下げるような書き方をしたが、実はこっそり講習テキストを復習したものもある。
これは、物理だ。
特に物・化・生は、過去問をもう1周回すのにはかなり根気と時間が必要だし、回せたとて、得点に繋がるのかというとかなり疑問。
過去問に対して、直前講習テキストはかなり詰まっているので、俺は駆け込みで最後のヤマ張りとして、物理のテキストの分析化学と放射の分野は軽く復習した(2~3周)。熱力学は少しでも難しくなったら絶対に解けないことがわかっていたので、触らなかった。
さて、気になるやまかけ講座だが、
薬ゼミのやまかけ講座は受けたほうがいい
ファーマのやまかけ講座は受けなくていい
ファーマプロダクトにはマジで申し訳ないが、当たっている箇所も少なく、事前配布された資料の文字に全部色ペンを塗るほど、まとまりのないやまかけであった。正直、この時間を自習の時間に充てていればなぁと。時間的に損したとまで思ってしまった。無料だから!と飛びついた自分を戒めたい。
友人からの又聞きなので、誇張されていたり、噂レベルのものだが、去年と同じ内容だったという話も聞いたので、ファーマのやまかけは客寄せパンダなのかなぁとちょっと思ってしまったり。
反対に薬ゼミのやまかけ講座は3000円以上の価値が間違いなくある。
まず、よく当たっている。
https://www.yakuzemi.ac.jp/information/108yamakake_ruiji/
どの人も口を揃えてかなり助かったと評している。自身の体験でも、「固体分散体」このキーワードだけで意味も分からずにやまかけで聞いたことある単語だ!と思って選んで得点に繋げていた。
一番俺が気に入っているのは、アフターサービスとしての1日目終わりの最終確認動画。当日出た範囲を消し込んで、より的中確率の高くした2日目用のやまかけ講座だ。
また、薬ゼミのやまかけで、最速で見れるライブか、繰り返し録画できるオンデマンドか悩みどころだが、オンデマンドがオススメ。
個人的な嗜好として、金を払うなら残るほうでという性質なので、オンデマンドを選んだが、正解。
1教科を短い時間でやまかけしなければならないので、講師は全員早口。結果的に、資料に書き込むため少しずつ巻き戻したり、止めたりすることが多々あった。
国試前日なんて逆にやることに困ると思うので、オンデマンドで腰を据えてやまかけに集中するのがオススメ。
やらなくていいこと(やってはいけないこと)
青本を端から端まで熟読
こーれ。かなりの落ち筋です。
これで受かった人を会社の同僚で一人だけ知っているが、かなりギリギリで本人もオススメしないと言っていた。
必ずメインは過去問、わからないところを青本でひく、という使い方をしたほうがいい
既出問題集と青門を並行して進める
過去問演習は周回数が命(勿論、再現性があるような理解が必要なのは前提として)。並行して進めてしまうと、最悪1周もできないまま本番を迎えてしまうかもしれない。
俺的には、既出問題集(7年分+過去問1年分)がおすすめ。合格するだけなら、8年度分の過去問だけで十分。受験者平均以上でもないのに薬ゼミオリジナル問題や、9年以上分の過去問というノイズが載っている青問は辞めたほうがいい。
もし、青問を使うのであれば、既出問題集3周以上しても苦手な科目や、より点数伸ばしたい科目に絞って使うといい。
Twitter(SNS等)の盲信
Twitter―SNSは非常に優れた情報収集ツールだ。俺も現役時代は、ゴロを収集したり、他の受験生の演習量探ったり。非常に有効なツールだった。
ただ、そこにある情報がすべてではないということだ。
よく年末ごろに見かけるのが、
過去問にほとんど出たことがないのに意識高い系ツイートの「必見」「覚えておこう」「第○回に出る」などのワードを用いた情報まとめツイート
これ信じて不安になるのマジで時間の無駄です。
そもそもこいつらは作問者でもないのに新薬の情報を垂れ流して不安を煽りインプレッション上げてコンサル代や自分の教材を売りつけようととしているゴミです。(一部の人はガチで薬学生のために頑張ってくれていますが)
新薬とかが出たらどうしよう…と不安になる気持ちはわかるが、実際出たところで誰も解けません。だって、合格者の平均は過去問しかやってないから笑
薬剤師国家試験の鉄板ですが、みんなが取れる問題(正答率60%以上)は落とさない、初めて見る問題・誰も解けない問題(正答率40%以下)は捨てる。
国試予備校講義の復習(現役生)
予備校の講義は非常に有益な講義。だがこれは普段の、学校の講義→個人的な復習・自習と変わりない。
それができるなら、定期試験も苦労してないし、国家試験余裕でしょ?これは平均以上できる人がやること。
とにかく
過去問を解く
正答率60%の問題は絶対に解けるようになってから、講義の復習、予備校の講義で取り上げられてた問題に取り組むべきだ。
模試の復習
大学受験の鉄板である模試の復習、薬剤師国家試験ではやらなくていい。というかやるな。時間の無駄。
というのも、模試は予備校側が難しめに作っているので、こんなものに時間を取られて基礎が疎かになるなら過去問を解いたほうがいい。
…ちょっと誇張したかもしれない。伝えたいのは一から解きなおしは悪手ということだ。
網掛け部分(受験者正答率が高いのに自分が間違っている問題)の領域は見直してもいいかもしれない。
あくまでも領域、同じ問題ではない。
例えば、網掛けが利尿薬の領域だったら、そこをピックアップして復唱したり、衛生で農薬が網掛けなら、その領域の過去問を解きなおすなど。
同じ問題は出ないので、再現性があるように領域を復習する。この感覚が大事。
まとめ
現役合格の俺のアドバイスのまとめとして
とにかく過去問を演習すること
最低3周、再現度の高い理解も伴って。
正答率60%以上の問題は必ず解けるようにしておく。
青本とか予備校オリジナル問題、模試の復習は平均以下なら捨てろ!
まずは過去問
以上。